爪の病気(爪白癬の治療)




爪白癬とは

爪白癬とは、爪の中に出来た「水虫」のこと。「爪水虫」とも云いますが、正式には爪白癬といいます。足白癬(一般にいう水虫)と同じ白癬菌という真菌(カビ)が原因で起こる感染症です。爪白癬の病状は足の水虫と違い痒みや痛みがない、それで放置されがちですが、進行すると、爪が白く濁ってくる。これは増殖した白癬菌によって爪が破壊され、中に空気が入り込むためで、爪が厚くなったり、もろくぼろぼろとかけたりもします。爪の先端のほうからはじまることが多く、最後には爪全体が白くなり、また黄褐色や茶褐色になることもあります。爪に水虫が出来るのは白癬菌が、爪や皮膚にあるケラチンというタンパク質が大好物だからです。
また水虫という言い方も俗称で正式には足白癬と言います。

爪白癬(爪水虫)は10人に1人

爪白癬の患者数は日本人の10人に1人、1,200万人ともいわれています、特に60歳以上では4人に1人が爪白癬と報告されています。2004年だけでも約260万人が爪白癬を治療するために皮膚科で受診しています。皮膚科に治療に行かない人も多数いると予想されます。
また水虫と言う名前が初めて文献に登場したのは江戸時代からと歴史があり、靴をはかない時代からあったようだ。

爪白癬(爪水虫)の診断

爪白癬は、見た目の症状のみである程度診断することができますが、確実ではありません。確実な診断は、患部の皮膚表面の角層や爪を少し取り、苛性カリ溶液で処理して顕微鏡で観察します。罹患していれば約5〜10分で簡単に白癬菌を見つけることができます。

爪白癬は、痛みやかゆみなどの自覚症状がないのが病院での治療を遅らせる原因です。しかし爪の中では生きた白癬菌が活発に繁殖している状態なのです。そのため放っておくと、爪が厚くなる、色が濁る、変形するといった症状が着実に進行します。

爪白癬は感染病

爪白癬の正体である白癬菌は、いわゆる水虫の原因菌。白癬菌が足にいれば足白癬(水虫)で、爪の中に侵入すると爪白癬。この爪白癬は立派な感染症の一種です。白癬菌は、硬い爪の中で生活していることと、爪を栄養(ケラチンというタンパク質)にして生きているので、塗り薬では退治が出来ません。また感染の場所はバスマットやスリッパは格好の棲み家です。恐ろしいことに切った爪にくっついて半年以上も生きている生命力があるようです。切った爪を新たな感染源にしないために、切る際には新聞紙をひいて飛び散らないようにするなどの対策が必要。

爪白癬になると、爪が白癬菌の貯蔵庫の役割を果たすため、からだのほかの部分やまわりの人への感染源になる可能性があります。そのため、たとえ足の水虫を治療しても、爪から絶えず菌が供給されるため、一時的には治ってもまた再発します。爪白癬を治療して白癬菌の貯蔵庫をなくなさない限り、足の水虫も治らないというわけです。

水虫の多くは家族内感染が主な原因といわれ、バスマットやスリッパなどを通じて感染してしまいます。だから家族のなかに水虫の方がいる場合には、その方も一緒に治療しなければ、誰か一人が治療しても再発・再感染を繰り返してしまいます。家族全員できちんと治療することが大切です。

治療は皮膚科

白癬菌は硬い爪の中、奥深く潜んでいるので、市販の塗り薬やスプレーだけでは、治療できません。確実に爪白癬の治療をするには、医師の処方する飲み薬(経口抗真菌薬)が使われます。薬が効いてくると、白癬菌におかされた部分が、爪の伸びにともなって先の方に押し出され、やがて全体が正常な爪に置き換えられていきます。一般には3〜6ヶ月間治療すれば1年後には8割程度の方が治っています。

のみ薬の治療法は約6ヵ月毎日のむ「連続服用法」と、「パルス療法」があります。「パルス療法」とは、1週間お薬をのみ、3週間は服用を休むサイクルを3回繰り返す治療法です。
3ヵ月の治療期間で、実際の服用期間は合計21日間になります。

しかし内服の抗真菌剤(白癬菌の治療薬)は、副作用として肝機能障害を来たすことがあります。一般的には毎日の内服で3ヶ月(90日)以上内服させることになっています。ところが抗真菌剤の内服には組織蓄積作用という利点(欠点?)があります。それを応用して1ヶ月の最初の1週間だけ内服させ残りの3週間余りは薬を飲まないパルス療法でも同様の効果をあげられるのです。パルス療法は3ヶ月以上内服しても、連続服用法の投与量の4分の1以下で済み副作用も軽減しそして治療効果も十分です。

爪白癬で日常生活での注意

白癬菌は、高温多湿な場所が大好きです。特にジメジメして蒸し暑い梅雨時から夏場にかけて、白癬菌の活動が活発化します。また靴や靴下を長時間履き続けていると、皮膚が汗ばみ蒸れた状態になります。そのような皮膚は白癬菌の繁殖の元になります。足の裏は、想像異常に汗をかくところです。
白癬菌の感染力は空気感染や直接接触による感染はほとんどないと考えられています。しかしながら、水虫の感染患者が落とした皮膚の垢などが別の人の皮膚に付着することで感染しますので、複数の人が使うバスルームの足ふきマットやスリッパなど湿った暖かい場所は特に要注意と言えます。筆者はサウナで複数回感染しました。

水虫と紛らわしい皮膚病

足の皮膚病は水虫だけではありません。「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」、足の指の間などにできる「紅色陰癬(こうしょくいんせん)」、水疱などができる「疥癬(かいせん)」などは、水虫によく似た症状を示しますので皮膚科での診断が望まれます。

爪は皮膚の表面を覆っている角質が硬く変化したもので、いわば皮膚の一部です。
皮膚や髪の毛と同じケラチンというタンパク質からできています。亀の甲羅やサイのの角と同じです。